ジャイアントパンダのオスの「リーリー」とメスの「シンシン」は、9月29日に、高齢のため、上野動物園から生まれ故郷の中国に返還されました。
この日、受け入れ先の四川省の「中国ジャイアントパンダ保護研究センター」では、上野動物園で飼育を担当していた鈴木仁飼育展示課長が引き渡しに立ち会っていて、今回NHKの取材に対し、2頭の当時の様子などを語りました。
鈴木課長によると、当日は雨が降っていましたが、施設の門の前には手作りの横断幕や2頭の写真入りのうちわを持った人が集まって歓迎していたということです。
到着した直後、2頭は前足を立てて座り、周囲をキョロキョロするなど少し不安そうだったものの、暴れたりするようなことはなく、落ち着いていたということです。
2頭は健康状態の確認で1か月ほど外部との接触を断つ必要があるため、鈴木課長は直接見ることはできませんでしたが、現地スタッフからは健康状態に問題はないと報告を受けているということです。
鈴木課長は「無事に中国に戻ることができてほっとしました。中国側のスタッフによると、シンシンのほうが落ち着いていて、到着した翌日からどんどん餌を食べて元気なようです。最初は少し不安そうだったリーリーも、徐々に慣れて餌を食べる量も増えていると聞いています。これからは野生のパンダの生息地に近い環境でゆっくり過ごしてほしい」と話していました。
また、施設には去年返還された2頭の子どもの「シャンシャン」もいて、鈴木課長は久しぶりに再会したということです。
鈴木課長は「中国でも人気を集めていると聞いています。毛並みもきれいで顔つきもよく、健康そうな様子がわかって安心しました」と話していました。