事件の記憶を長く伝える象徴としての碑が完成したのは、京都府宇治市の「お茶と宇治のまち歴史公園」で、14日の式典には、遺族や従業員など93人が参加しました。
碑文には「夢と情熱を人から人へ。私たちの途切れることのない未来への羽ばたき」などと刻まれ、亡くなった36人を表す36羽の鳥が羽ばたく様子がデザインされています。
京都アニメーションのクリエーターがデザインを手がけ、式典では従業員の代表者のメッセージとして「一羽一羽の鳥たちがたくさんの方々のおもいを届け、つないでいくという気持ちを込めています。おもいを寄せる象徴となることを願っています」などと紹介されました。
このあと、遺族の1人があいさつし「建立に関わった方々に深く感謝します。亡くなったスタッフの情熱と技術は、今も会社のスタッフの中で生きていて、作り続けられる作品が多くの人々に希望と感動を与え続けていることを誇りに思っています。亡くなった方々のおもいを胸に、前を向いて歩んでいきたい」と述べました。
碑は一般に公開されますが、京都アニメーションは献花などは控えてほしいとしています。
5年前の2019年、京都市伏見区の「京都アニメーション」の第1スタジオが放火され、社員36人が亡くなった事件では、殺人などの罪に問われた青葉真司被告に、ことし1月、京都地方裁判所が死刑判決を言い渡し、被告は控訴しています。