旭川市の中学2年生だった廣瀬爽彩さん(当時14)は、3年前の2021年3月、雪の積もった市内の公園で死亡しているのが見つかり、その後、いじめがあったことが認定されました。
しかし、市教育委員会の第三者委員会による調査では、死亡したことといじめとの関係性が明らかにならず、遺族の求めで新たに再調査委員会が設けられ、調査が継続されました。
再調査委員会はことし6月、調査結果の概要を市や報道機関に説明しましたが、その直前に、当初調査にあたった第三者委員会の報告書に似た文書がネット上に流出したことから、正式な調査結果の報告を延期していました。
市が報告書の管理を厳格化するなどの対策をとったことから1日、再調査委員会の尾木直樹委員長らが市役所を訪れ、今津寛介市長に報告書を提出しました。
再調査では、女子生徒がいじめを受けてPTSD=心的外傷後ストレス障害を発症し、自殺に至るまでトラウマに苦しんだとして「いじめにあわなければ自殺は起こらなかった」と結論づけています。
尾木委員長は「今回の事案はこの土地特有のものではなく、全国どこでも起こりうるものです。この報告書が旭川市や全国の子どもたちが希望の未来を描けるよういじめの対策の道しるべとなってほしい」と話していました。
また、今津市長は「今後二度とこのような痛ましい事案が起こることがないよう、内容を精査して再発防止に取り組みたい」と述べました。
旭川市では今後、遺族の意向も確認したうえで公表版の報告書を作成するということです。