原子力規制委員会が定める「原子力災害対策指針」では、原発で重大な事故が起きた際、原則、半径5キロ圏内の住民は即時に避難したうえで、5キロから30キロ圏内の住民は自宅などに屋内退避し、放射線量が一定の値を超えた場合に避難するとされています。
しかし、能登半島地震では志賀原発周辺の広い範囲で建物の倒壊や集落の孤立が相次いだことなどから、規制委員会は自然災害と原発事故が同時に起きた場合の避難や屋内退避の考え方を議論してきました。
14日の会合では国の「防災基本計画」で示された、▽家屋が倒壊した場合には避難所で屋内退避し、▽屋内退避が困難な場合は避難するという対応を前提に、避難と屋内退避を組み合わせて、被ばくなどによる健康への影響を抑えるという指針の基本的な考え方は引き続き、有効だと確認しました。
そのうえで、屋内退避を効果的に運用できるよう、開始や解除のタイミング、対象範囲などを自然災害や原発事故の状況に合わせて柔軟に判断するための方法を、外部の専門家などを加えた検討チームで議論することを決めました。
事務局の原子力規制庁は来年度中に報告書を取りまとめたいとしています。