告発状を出したのは、5年前、学校法人の土地取引をめぐる横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、その後無罪が確定した、大阪の不動産会社の元社長、山岸忍さん(61)です。
横領事件をめぐっては、当時、特捜部の田渕大輔検事(52)が、山岸さんの元部下を罵倒するなど違法な取り調べをしたとして特別公務員暴行陵虐の罪に問われていて、告発状では、捜査を指揮していた主任検事(52)が、田渕検事の取り調べを問題視せず容認したなどと主張しています。
さらに、主任検事がこうした取り調べを上司などに報告せず、山岸さんを逮捕・起訴したとして、特別公務員暴行陵虐や特別公務員職権乱用の疑いで4日、大阪高等検察庁に告発しました。
また、ことし6月に行われた山岸さんが国に賠償を求めている民事裁判の証人尋問で、主任検事が「過去に取り調べで机をたたいたりどなったりしたことはない」などと述べたのは、事実と異なり偽証の疑いがあると主張しています。
告発状を提出したあと山岸さんは会見を開き「違法な取り調べが行われていると知りながら、私は逮捕され、人生をくるわせられた。裁判で事実を明らかにしたい」と話していました。